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法政大学非公認サークル
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 <実験理念>

 法政大学で次年度からの学費の値上げが決定されてしまった。値上げで後輩達がかわいそうだ、ということもさることながら、こうした決定を当事者である学生へ十全な告知や話し合いを全うしないうちに行い、話し合いを求める3000筆の署名が集まったにもかかわらず「話し合いはすんだ」と主張する大学当局の姿勢に、真面目な学生は様々な抗議声明を出したり、行動を起こした。

 つみつくりは、団体理念上、自分達の表現の環境も自ら整える。活動基盤たる大学内のこうした強権的なあり方にただ政治的に抗議するのも、ましてや抗議の意志を示さず黙認するのも、サークルの趣旨とは異なるので、あくまでもつみつくり的手法で意志表示を行なう。

 「つみつくり的手法」とは、理念に基づく体を張った手作りの表現であり、それをあくまでも大真面目に行なう事で生まれる結果としての風刺的笑いである。

 

 <実験方法>

 その昔、70~90年代の法政の先輩方は当局の横暴に対して「フロアストライキ」という、

大学敷地のワンフロアを占拠しての抗議行動を行なったそうである。

これにヒントを得、我々は「フロストライキ」と称し、

2月の厳寒の日のキャンパス中央にて雪で湯船を作ってフロを沸かし、裸で入浴する。

大学当局が話し合いに応じるまで雪の中で裸でい続けることを示すことで、交渉のテーブルにつかせる。

 

 <実験地>

 法政大学市ヶ谷キャンパス55年館前広場

 

 

 <実験経過>

 2月。この「フロストライキ」を計画してから我々は秘密裏に天候と学内の動きを調べた。

寄せられた数々の情報を総合すると2月某日が決行にふさわしい唯一の日であることがわかった。

当日、東京上空に流れ込んだ寒気により未明から東京は大雪となり、
首都圏の交通網は麻痺した。

つみつくりの精鋭部隊であるガッツカゲロオがボアソ
ナードタワーに待機し

学内各所に別働隊として協力者を配置した。

 

 昼過ぎ、降り続いた雪が小康状態となったところを見計らって出撃し、ダミーとして

キャンパス中央に構築した鎌倉の屋根を取り外し、くぼみにビニールシートで膜を作った。

それからはバケツリレーで協力者たちとともに学内中からお湯を運んでは湯船へ注ぎ込んだ。

大急ぎだ。今、大学当
局に見つかれば未然に阻止されてしまう。

と、その時、天の助けか一陣の風が吹き粉雪が空に舞い、キャンパスの視
界が悪くなった。

 

「今だ!」とガッツ、カゲロオはバケツを投げ捨てると素っ裸になり、湯船へ飛び込んだ。

風がおさまりキャンパスの人々
が中央を見ると、雪合戦をしている学生たちがいるなか、

キャンパス中央に湯気が立ち上っており、

素っ裸の男が頭に
タオルとアヒルちゃんをのせてくつろいでいる。

 

 

分厚いコートの襟を立て寒さに首をすくめて歩いてきた年配の女性教授が、

「ウア」と目を疑うようにして思わず
後ずさりをした。

人々の注目も集められた。

大成功である。

調子に乗った我々は一升瓶を取り出し、雪見酒としゃれ込んだ。

しかしこの後我々は予想しなかった悲劇に見舞われた。

 

<実験結果>

 嫉妬の世界は恐ろしい。

それまで学内の公認サークル・非公認サークル・プロ・アマを問わず学費値上げに反対してきた。

3000筆の署名さえ
集められたが失敗に終わっていた。

そこへ、つみつくりという奇人サークルがわずか2名で抗議表現を貫徹してしまっ
たため、

湯船の横に配置していた協力者たちが妬み、

突如謀反を起こして、湯船にスコップで大量の雪を入れ始めた
のである。

みるみるうちに温泉は、氷風呂と化し、

凍死寸前になったつみつくり部隊は、学生達の悲鳴と嘲笑の中、

素っ裸で
キャンパスを転げまわり無残な撤退を余儀なくされたのである。

 結局学費は下がらず、存分に体温だけ下がらせた我々は、

闘いとは目の前の敵だけが相手ではないことを学んだ。



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